kenjuの日記

About Programming, Mathematics and Security

『成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝』を読んで

マクドナルドを全米に広げ、今のアメリカのバーガー文化を作ったとも評されるレイ・クロック。

映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』が公開されることで彼の存在を知りました。自伝が出版されていたということで、早速読んでみました。

彼の起業家としての精神、同じ志を追う仲間を信頼する姿勢など、学ぶ点はたくさんありました。

特に印象に残った点を、雑多に書き記しています。

成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝―世界一、億万長者を生んだ男 マクドナルド創業者 (PRESIDENT BOOKS)

成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝―世界一、億万長者を生んだ男 マクドナルド創業者 (PRESIDENT BOOKS)

  • 作者: レイ・A.クロック,ロバートアンダーソン,野地秩嘉,孫正義,柳井正,Ray Albert Kroc,Robert Anderson,野崎稚恵
  • 出版社/メーカー: プレジデント社
  • 発売日: 2007/01/01
  • メディア: 単行本
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レイ・クロックの座右の銘

「未熟でいるうちは成長できる。成熟した途端、腐敗が始まる」

52歳からマグドナルドの全米展開に取り組んだという事実を知るだけで、彼が年齢関係なく、常に成長・成熟に向かって走り続けたことが想像できる。

言うのは簡単。学習もプログラミングも、学べば学ぶほどわからないことが増えていく。そんな事実に直面し、「自分はまだまだ未熟だ、成長し続けなくてはいけない」と自分に言い聞かせられるのは、一つの強さなのかもしれない。

成熟した状態で、狭い世界に満足する、コンフォートゾーンに生きていくのはすごく気持ちが楽。だけど、成長の中の醍醐味を知っているからこそ、勇気を出してそこから出ようとすることができる。

大事なのは、その一歩を踏み出すことに慣れているかどうかの違いなのかもしれない。

これが、マクドナルドという会社の文化として醸成されていく。

だ が 、 ビ ジ ネ ス は 絵 画 を ペ イ ン ト す る の と は 違 う 。 最 後 の 一 筆 を 入 れ 、 壁 に 掛 け て 楽 し む の と は 異 な る も の だ 。 マ ク ド ナ ル ド の 本 部 に は 、 壁 の 至 る 所 に ス ロ ー ガ ン が 掛 け て あ り 、 そ こ に は 「 ビ ジ ネ ス は 立 ち 止 ま っ た ら 終 わ る 。 一 人 ひ と り 、 常 に 成 長 を 心 が け よ 」 と 書 か れ て あ る 。

一人のスタンスの話ではなく、会社の社風として成長を目指す。マクドナルドが今の大きな会社となったのも、レイ・クロックが一人で頑張り続けたからではなく、彼のスタンス・成長への渇望が、文化として醸成され、従業員に広く伝わっていったからなのだろう。

睡眠の質

ま ず 頭 の 中 に 黒 板 を イ メ ー ジ す る 。 緊 急 の メ ッ セ ー ジ で 埋 め 尽 く さ れ て い る が 、 黒 板 消 し を 持 っ た 手 が 、 そ れ を 端 か ら 消 し て き れ い に し て い く 。 頭 の 中 を こ れ で 空 っ ぽ に し た 。 途 中 で 雑 念 が 生 ま れ た ら 、 大 き く な る 前 に 消 し 去 っ た 。

レイ・クロックは睡眠の質を重要視していた。マルチミキサーの展開の中で権利問題に巻き込まれ、給与の据え置きどころか妻に内緒で10万ドルの借金をし、想像を絶する膨大な債務を背負った中でも苦境を乗り切るために、彼は毎晩独自の睡眠法に頼って確かな休養を確保していた。

が 、 秘 訣 は 、 一 分 の 無 駄 も な い 、 質 の 高 い 睡 眠 に あ っ た 。 四 時 間 し か 寝 ら れ な い 日 も し ょ っ ち ゅ う あ っ た が 、 質 の 高 い 睡 眠 を と る よ う 心 が け た 。

パフォーマンスの高い人は、睡眠の質を重要視しているとは良く聞く。

人に仕事を任せるなら、最後まで口出ししない

人 に 仕 事 を 任 せ る の な ら 、 最 後 ま で 口 出 し は し な い の が 私 の 信 条 だ っ た 。   口 出 し し た く な る な ら 、 最 初 か ら 任 せ な け れ ば い い 。

チームをマネジメントする際に参考になる考え方。

エンジニアの世界では、良く「自由と責任」の文脈で、「エンジニアを放っておくのが一番成果をあげやすい」と言われることが多い。

自分も同意見。まず、人は信頼されて仕事を任されると俄然やる気が湧く。次に、ゴールは明確だけどやり方は自由だと、工夫する楽しみ、短期間でやり終える楽しみが味わえる。それが評価に結びつくなら一石二鳥。

一方で、最後まで口出ししないリーダーの側からすると、慣れていないと強い忍耐を要するもの。途中途中でアドバイスしてあげないと最後までやりきれない場合もあるかもしれない。

だけど、あくまでこのスタンスを崩さないからこそ、「これは私の仕事」という当事者意識がメンバーの中に醸成されていく。

これと似た言葉が、本書の後半にも出てくる。

私 は 、 職 権 と い う の は い ち ば ん 下 の レ ベ ル に い る 人 の 手 に あ る べ き だ と 常 に 考 え て い た 。 店 に い ち ば ん 近 い 立 場 に い る 人 間 が 、 本 部 に 指 示 を 仰 が ず と も 決 断 で き る べ き だ と 。

現場を知っている人間が一番偉い。

思考のスケール

私 は 思 考 の ス ケ ー ル が 小 さ い と 、 そ の 人 自 身 も 小 さ い ま ま で 終 わ っ て し ま う と 思 っ て い る 。

大きな絵を描ける人と一緒にいると、楽しいし、一緒に働きたくなる。

大きなビジョンを共有する人たちと一緒にいると、最初はそのビジョンが遠くほぼ不可能なものに思えても、だんだんと実現可能なものに思えてくる。

日本一を目指すとか、世界進出を目指すというもの素晴らしいけど、されにその上の次元に、すでに日本の代表として、世界という舞台で物事を考えている人たちがいるのもまた事実。

夢はでっかく。そうでないと、人生楽しくない!!!

試合に負けることは罪

し か し 、 基 本 的 に は 彼 ら も 私 の 論 点 に 賛 同 し た と 思 う ─ ─ 自 分 の ベ ス ト を 尽 く し て 負 け た と き で な い 限 り 、 試 合 に 負 け る こ と は 罪 で あ る 、 と い う こ と に 。

ただし、「自分のベストを尽くして負けた時でない限り」。

仕事でもなんでも、数多くの失敗をしてきた。今振り返ると、後悔のない敗北と、後悔しかない敗北の二つに別れている。

後悔のない敗北、それは自分のベストを尽くして負けたからなんだと今は思う。数少ないが、後悔しかない敗北、それは負けるべくして負けたのではなく、その時自分の中に一種心の甘えがあったからなのだろう。

それは、単なる敗北ではなく、「罪」なのだ。だから、いつも自分に問うようにしている。「今、自分はやるべきことを全て、本気でやっているのかどうか」。そうでないと、潔く敗北を認め敗因から学びを得ることはできないし、仮に勝利したとしても心から喜べないからだ。

「 B e d a r i n g ( 勇 気 を 持 っ て ) 、 B e f i r s t ( 誰 よ り も 先 に ) 、 B e d i f f e r e n t ( 人 と 違 っ た こ と を す る ) 」

柳生さんと孫さんの対談の中で紹介されていた、レイ・クロックの言葉。

「勇気を持つ」ことが、一番難しいことなのかもしれない。いつも、そう思う。

決断をする時。 行動に移す時。 何かを変えようとする時。

それが失敗したらどうしようとか、それが間違いだったらどうしようとか考えて、一歩を踏み出さないように、慣性が働く。その物理法則を乗り越えるには、「勇気を持つ」しかないのだと、いつも思う。